慢性上咽頭炎(のどの痛み)の治療や原因

こんにちは。大阪南森町・北浜エリアの整体院「はり灸整体治療院すずらん」院長のこうのです。私は、18歳で治療院業界に入り、20年以上、心身の不調にお悩みの方と向き合ってきました。こりや痛みだけでなく、近年、慢性上咽頭炎(のどの痛み)をはじめとする自律神経症状にお悩みの方も多く臨床経験を積み上げてきました。

特に慢性上咽頭炎にお悩みの方はクリニックや耳鼻科でEAT療法(上咽頭擦過療法/Bスポット療法)を受けている方が多いです。その治療自体の出血や痛みにも耐えて、頑張っているものの、なかなか改善されていかず、他になにかできることはないかと探している方が当院に通院されています。

私も学生の頃からストレスや疲労による自律神経症状に悩まされてきて、夜も寝ずらく、とてもつらかったのを覚えています。ですので、あなたのつらさを少しでも理解したいと思っています。

一般的に慢性上咽頭炎は「なんか最近喉の調子が悪い…」「朝起きると痰がからむ…」という症状があるものの耳鼻咽喉科や内科などで検査しても異常がみられない場合に診断されます。治療は基本的に薬物療法で去痰薬などが主になり、市販薬なども現状は無い状態なので、長期化しやすい傾向にあります。

ここでは当院における慢性上咽頭炎についての捉え方や対処法、などを解説していこうと思います。

上咽頭炎とは

のどは上咽頭・中咽頭・下咽頭の三つに分けることができます。鼻とのどの間(境界部分)を上咽頭(咽頭の一番上の場所)といいます。この上咽頭に、急性または慢性の炎症が生じている状態が上咽頭炎です。

上咽頭に炎症が起こり、のどの上の方の痛み、または違和感や乾燥感や声の出しにくさなど上咽頭の症状がおこります。または、鼻炎や副鼻腔炎による鼻漏が上咽頭に流れることで、上咽頭炎が起こることもあります。

上咽頭炎が治りきらなかった場合や、中~下咽頭へ流れる分泌物、後鼻漏が増加し、痰が絡んだ感じが続き、持続的な刺激がある場合に、慢性上咽頭炎となります

慢性上咽頭炎の症状

上咽頭の近くには血管・リンパ管が多く張り巡らされており、炎症が全身へ回りやすいと考えられています。このため以下のような多彩な症状を引き起こします。

  • 鼻とのどの間の痛み
  • 違和感
  • 乾燥感
  • 後鼻漏(鼻の奥からのどに鼻水が下りる)
  • 咳払い
  • 目まい
  • 声が出しにくい
  • 鼻の奥がにおう
  • 首のこり
  • 頭痛・頭重感
  • 倦怠感
  • 全身の痛み
  • 睡眠障害
  • 関節炎

また、急性中耳炎、滲出性中耳炎、耳管狭窄症の原因となることもあります。

病院での診断・治療について

病院やクリニックでは症状や病歴などに加え、鼻咽腔内視鏡検査などを行い診断します。治療は、薬物療法や処置などの保存的治療が中心になります。処置として、上咽頭擦過療法が有効な方もおられます。

<上咽頭擦過療法>

「EAT(Epipharyngeal Abrasive Therapy)」または、「Bスポット療法 」と呼ばれています

【方法】

上咽頭に綿棒などで薬液を擦り付けます。1回あたりの処置は1分程度です。

【期待できる効果】

①上咽頭の消炎効果

②瀉血効果…うっ血状態を改善させる

③迷走神経刺激

【起こり得る合併症】

①疼痛(処置後は数日続く場合があります)

②出血

慢性上咽頭炎の原因

上咽頭への細菌やウイルスの感染、感冒いわゆる「風邪」から、急性上咽頭炎がおこり、自覚症状がでてきます。他にも、体の冷え、疲労、ストレス、空気の乾燥、逆流性食道炎口呼吸や鼻炎や副鼻腔炎に伴う後鼻漏(鼻水がのどにおりてくること)によって上咽頭におこった急性炎症から軽度から中程度の病的炎症が持続する状態が慢性上咽頭炎です。

ただ慢性炎症については、具体的な原因をひとつに特定することは困難な場合が多く、いくつかの要因が組み合わさって生じている場合がほとんどです。

臨床でよくある慢性上咽頭炎の原因

メカニズム的には、身体の免疫システムが働かなくなり「病的炎症」をおさえることができなくなることで、慢性上咽頭炎がおこります。上咽頭は神経線維が豊富で自律神経のひとつを構成している迷走神経が投射しています。

人体に備わる免疫システムに異常をきたす要因は、自律神経の乱れによるところが大きいので、その原因をみつけて対処していくことが根本的な慢性上咽頭炎の治療になります。

臨床でよくある慢性上咽頭炎の本質的な原因は

・脊柱の歪み

・体液(血流、リンパ)の循環不全

・神経伝達の異常

です。

脊柱に歪みがあると、体液(血流、リンパ)の循環不全がおこり、上咽頭のかかわる迷走神経に対しても血流が不足し、そこから神経伝達に異常をきたします。そうなっていくと、全身の免疫システムがうまく機能せずに炎症をおさえることができず回復にむかっていきません。

首のこりや股関節の緊張などによっても脊柱の歪みはつくられるので人によって、どこが問題になっているのかを、きちんと検査してそれを解決していくことで、全身の血流やリンパの巡りがよくなり神経伝達がスムーズになります。

治療の考え方としては、全身の血流やリンパのとどこおりを改善させるために筋肉を正常に働くようにし、関節や骨格に歪みがあれば、そこを整えることで神経伝達がスムーズに働き、免疫システムが正常に作用していきます。多くの慢性上咽頭炎において、整体は効果的に働きます。

鍼灸治療も血流改善に効果的ですが、脊柱や関節の歪みに対して、整体でしか得るこのできない改善効果が期待できます。

先にも、述べたように、当院では、慢性上咽頭炎の原因は、脊柱の歪み、体液の循環不全、神経伝達の異常による自己免疫システムがうまく機能せずに回復力が低下した状態であることが、これまでの臨床経験から、みてとれました。

Bスポット療法のように直接、物理的に上咽頭を刺激して、神経に刺激を与える施術はおこなっていませんが、神経伝達が異常をきたしている原因をみつけ、それに対して、適切な施術をおこなっていくことで、改善につながります。

当院で行う施術は、多くの整体院で行うような症状の局所の筋骨格だけを整える治療ではなく、触診や体の使い方などの動作分析、神経機能や全身の関連性を検査して原因をさがして施術をおこなっていきます。

様々な、つらい症状を引き起こすとされる、慢性上咽頭炎。症状や状態はお一人お一人違います。十分に検査が必要です。症状に振り回されないように、あなたの回復力をあげる本質的なお手伝いをさせていただきます。

多くの自律神経のトラブルにお悩みの患者さんと向き合ってきた当院にご相談ください。

当院での慢性上咽頭炎の整体

状態を確認、共有

症状やお悩みについてお話をうかがいます。慢性上咽頭炎はもちろん、関連する背骨、骨盤、足関節などの動き、神経の状態。筋肉の緊張、骨格の歪みを確認します。これらの触診に加えて、IT検査機器と「フットプレートメタスキャン」を用いて、姿勢と重心バランス、歩行時の動作と足底荷重圧、負担分析を行い、 どういった動きが制限されていて慢性上咽頭炎に関わっているのかを分析します。

構造面の調整

身体が歪んだりしていると、負担がかかりやすく、筋肉や関節などのも緊張しやすいため背骨を含め全身の関節や構造面の調整をおこなっていきます。心地よく適切な刺激を加えて整えていきます。身体の構造に問題があると、全身にはりめぐらされた血管や神経などの組織は、正常に機能しない状態に陥ってしまいます。

神経伝達を整える

痛みや症状から回復していくには、脳、自律神経などの神経伝達のバランスがとても大切になっていきます。先ほどの身体の構造面を整えると、神経伝達がよくなっていくのはもちろんですが、神経系に直接的にアプローチできる整体法を取り入れていますので、その方法で神経伝達を促していきます。

体液循環の促進

心身を整えていくためには、体液循環はかなり重要です。この体液とは、血液はもちろん、リンパ液や脳脊髄液といわれる液体全般をさします。人間の身体は水がほとんどを占め、血液が栄養素を運びますし、人間が生まれていく発生学的にみても身体は骨も含めて水(体液)から始まっているからです。そして、この体液循環をよくしていくと、神経伝達も促進され、整っていきますので、とても大切な要素です。神経の伝達は、電気信号でおこなわれるため水が必要不可欠です。体液循環がスムーズにいくと体の免疫が上手に働くので体液にたいして整体でアプローチしていきます。

効果、状態を確認

効果がどのようにでているか、チェックしながら施術計画を進めていきます。ご説明や、気をつける点やセルフケアの方法や方向性をお伝えします。心身をよくしていく上で言い忘れたことや疑問点、不安に感じていることなどがあれば遠慮なく話してください。

施術をご検討の方へ

最後までお読みいただきありがとうございました。こちらの記事を通して上咽頭炎や心身の不調を改善する一歩になればとても嬉しく思います。今回、お伝えしたように上咽頭炎のお悩みは、お薬やBスポット療法で治療中でも、身体本来の自然治癒力を上手に発揮できる状態にしていくことが大切です。

今まで色々ためしても、よくならなかったとしても、一生涯つきあう大切な身体です。

あきらめずに、ご相談ください。

2024年1月28日